織物の復原

私たちは代々古代の織物や名物裂などの復原に取り組んでおります。

織物の復原のご依頼を承っております。一度ぜひご相談ください。

《お問い合わせ》

一般財団法人日本伝統織物研究所

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緑地花鳥獣文錦(みどりじかちょうじゅうもんきん)

(制作例)

・時代、歴史、文化的背景の研究

・現物の調査(糸の仕様、織物組織の選定、織物設計、染料の選定)

・機織り機、蚕の種類、道具類などの研究

*染料については最新分析機器による選定も可能。

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  制作に取り掛かる

・所用年数:1年から3年

(復原元)

(復原した織物)

本裂は、東京、京都両博物館の所蔵する正倉院裂の一つで、聖武天皇一周忌斎会(757年)を飾った道場幡の垂脚(すいきゃく)の止め飾りとして使用された古代の緯錦、倭錦(やまとにしき)である。実物を御覧になれば一目瞭然であるが、デザインが非常に精緻で高度なことが挙げられる。中央にはいわゆる「唐花」といわれる大きな花があり、対の「獅子狛犬」が上部にいて、さらに上部には対の水鳥が波紋と思われる上に浮かんでいる。副文には小さな花と「ザクロ」と思われる紋などがあるが、やはりメソポタミア起源の対の動物の中央に「生命の木」がある樹下動物文の系統を引く図柄であると考えられる。これを見ているとつくづくデザインなどは「不易流行」という場合の流行があるだけでまったく進歩していないのではないかと思われる。コンポジションは明晰に「同心円」と「六角形」で構成されているが、決して単に「抽象的」とはいい切れず、「抽象」とか「具象」とかいう近代の狭苦しい枠を悠に超えている。また、すべての白い線が古代紫の線で「くくられている」ことと、何となく線が柔らかくやまとぶりを感じさせる、見事な錦である。

赤地花菱襷状鳥花文錦(あかじはなびしたすきじょうちょうかもんきん)

(復原元)

(復原した織物)

奈良時代に比べて、応仁の乱をはじめ多くの戦乱や災害があったためか、平安時代のものと特定出来る裂は、遺されたものが極めて少ない。そのうち最も貴重視されているものの一つに、高尾山神護寺(たかおざん じんごじ)より出たとされる御経を包む経帙(きょうちつ)の縁裂(ふちぎれ)に使用されている、一連の、通称「神護寺裂(じんごじぎれ)」がある。

 今回、この縁裂の一つ、「赤地花菱襷状花鳥文錦」を復元対象に、平安時代の機装置と推測されるろくろ装置を製作し、平安様緯錦の特徴を備えた本裂を復元した。


赤地牡丹唐草文錦(あかじぼたんからくさもんきん)

(復原元)

(復原した織物)

阿須賀神社の古神宝を含めて、熊野速玉大社(和歌山県)に数多く伝えられる古神宝類は、いずれも一応室町時代の製作になるものと考えられている。

その古神宝の一つに、三面の鏡に錦の袋が付属するものがある。その鏡をこの錦に包み鏡箱に納められたものと知られている。本裂は、昭和三十年に国宝に指定され、国有となり、現在は京都国立博物館に保管されている。

見かけ上は平安時代の準複様綾組織緯錦と変わらないが、それ迄の母経と芯経との役割を、片方が表経のみ、他方は裏経のみの組織構成になり、風通様の二重組織となっている。また、機装置では文把釣に5本把釣を使用し、緯の牡丹文には黄・紫・白の段替りを取り入れるなど、機装置や紋様に新しい技法が採用された錦であると考えられる。